ペラペラを目指すなら知っておこう!バイリンガルの世界
「ペラペラ外国語を話せる」となんだかカッコよく見える
外国語を学んでいる途中の人にとって、自分の目標としている言語を自由に扱える人はそれだけですごく頭のいい人に見える、そんな風に感じたことはありませんか。2,3言語を同時に操る人を見て、自分もいつかそうなれたらいいな、と憧れる気持ちはごく自然なものです。一般的には2か国語を習得している人はバイリンガル、3か国語はトライリンガル、4か国語以上はマルチリンガルと呼びますが、このようにペラペラ外国語を話す人たちも大きく3タイプに分けられるといいます。今回は便宜上バイリンガルを取り上げたいと思います。早速一緒に見ていきましょう!
言語を習得する時期によって異なる3タイプのバイリンガル
① compound bilingual(統合されたバイリンガル)母語習得期に、2つの言語を同時に理解するようになる。
言語には「臨界期仮説」と呼ばれる仮説があります。簡単に言うと頭がやわらかい子供のころに外国語を自然に身に付けた人たちはこの臨界期を超える前に身に付けたということになります。臨界期は一般的には10歳前後と言われています。
② coordinate bilingual(連携したバイリンガル)学校では英語を、家庭では母語である日本語をというように、別々に使い分ける。
臨界期をある程度超えてから新たに言語を身に付けた人たちで人によってかなり差が出るのはこのタイプ。イメージとしては10代を過ぎてから20代までに身に付けた人たち。ほとんど①の統合型と見分けがつかない人からかなり母語の影響を受ける人までその幅は様々。性格、海外の在住経験、学習環境などによって変わってくるようです。
③ subordinate bilingual(準バイリンガル)母語を通して外国語を理解し、習得した人たち
20代以降に母語が完全にできあがった状態で外国語を学ぶ人はこのケース。成人してから海外に行った人や、自国にいながら、努力して外国語を習得した人などがこれにあたります。そういうと、「もっと早く始める環境があればよかった」、「同じ労力をかけても若い時とは違ってなかなか報われないのは不公平な感じがする」という声が聞こえてきそうですが、TEDで The benefits of a bilingualbrain というスピーチを披露したMia Nacamulli(ミア・ナカムリ) 氏はこんなことを言っています。
“確かに臨界期仮説が事実なら、子供のときに言語を学ぶことで、言語の社会的、そして感情的な背景の全体感を理解することができると言えますが、反対に最近の研究では、大人になってから第二言語を学んだ人々は、ネイティブの人々に比べて、第二言語で問題に直面した時、感情的な偏見が少なく、より論理的なアプローチを発揮することが、明らかになっています。”
この、「論理的な場面においては実は大人になってから言語を身に付けた人が有利」という点は非常に重要だと思います。厳密な論理性や様々な決定を要する分野の活動では感情的な偏見は事実を見誤らせる可能性があります。
バイリンガルが脳にいい理由
どんな時に新しい言語を習得しても、実は脳にはお得なことばかり。例えば言語を複数話す人はそうでない人に比べてアルツハイマー病や認知症のような病気の初期症状が出にくいという調査結果や、脳がより活動的になるという結果が出ているそうです。
「ペラペラ」は一日にして成らず
「ペラペラ」のバイリンガルたちは様々なタイプに分かれること、そしてその利点についてみてきました。ある程度自由に外国語でコミュニケーションを取れるようになるのはいずれにしてもそれなりに時間のかかるプロセスです。現に母語として話している日本語もそうして日々の積み重ねの結果です。気負わず、あきらめず、根気よく続けることがバイリンガルへの一番の近道ではないでしょうか。
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